
翡翠にも似た艶やかな美と、古色をかもしだした、落ち着きある雅趣。これこそ、"鍋島青磁"の伝統の技法「貫入(かんにゅう)」です。この「青磁貫入(せいじかんにゅう)」が出来るのは、かつて鍋島だけでした。青磁の名品を遺した宋の官窯(かんよう)「交壇窯(こうだんよう)」からの、ひび焼きの超難度技法ですが、あまりにも困難を極めるため、他の窯で作られることはついぞありませんでした。青山窯が得意とするのがこの青磁貫入です。曾祖父の代から始まったこの技法、原産の青磁石に独自の釉薬を加え、通常よりも高温で焼く。それを窯出しする際、表面部分と本体の収縮率の差により、意図的に皹(ひび)を入れます。窯から上げるとき、ピーン、ピーンと貫入の皹が入る澄んだ音がし、さらに使っている間にも音がする時もあります。

藩窯(はんよう)ゆえに、子々孫々にのみ伝えられてきた秘法を受け継ぎ、卓抜な技術を21世紀に残す川副青山窯。その作品は、まさしく完璧さだけを追い求めた鍋島藩御用窯の最高技法の結晶、目も眩むような逸品と称賛されています。海外の王室や元首に愛蔵される川副青山窯の鍋島青磁。中でも平成5年9月に同窯で作った香料伽羅(きゃら)を入れた「沈香壷(じんこうこ)」は、中国政府、英国王室、バチカン宮殿に贈呈され、その作品の質の高さは大いに評価されました。





